軍鶏


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ソイ・チェンの作品として、純粋に考えると、DOG BITE DOGとは違って、輪郭がはっきりとした映画だった。それは、映像の輪郭もだし、音も、衣装や舞台設定などの世界観も、まさに、漫画のように、ひとつの線でかかれた世界といった感じがする。現実でもないし、現在でもないし、この世には絶対にない世界で、絶対にない時代で、暴力も、その世界の暴力であると感じられるので、前作に比べて、バイオレンス感は薄れていた。どっちかっていうと、これは、ちゃんとアクション映画で、バイオレンス映画ではないという感覚。ところどころ、笑ってしまうくらい現実味の薄い、シーンが入ってくる。けど、それはその世界にはあってしかるべきとは感じられる。私は、原作の世界観を知らないので、なんともいえないが、映画そのものが劇画的で、こういう映画は今、日本ではつくらないし、つくれないだろうなと思う。というか、需要そのものがない気がするし。全部日本語吹き替えで、日本語吹き替えが、アニメ感を一層あおり、それはそれで、世界観には合っているのだが、香港映画ファンとしてはオリジナルの音声が聞きたいと感じてしまうな。。DVDには収録されるのだろうか。。映画としては、DOG BITE DOGの方が、全然好きなのだが、やっぱりこの監督は、ひとつの世界観あるいはひとつの思想を示すために、ものすごい徹底的にやるタイプなんだなと思う。それが滑稽になったり、やりすぎて、逆に適当感がでてしまったりするくらいなのだけど、けど、やる、徹底的にやるという感じがする。そこが好きだ。わたしは、アクション映画に本当の格闘家がでると、とっても微妙なことになると思ってるのだけど、この映画ではアリかなと思った、やっぱり、ショーン・ユーはどう考えても、体が挌闘家ではないし、普通にK1でみていると、魔裟斗は華奢なイメージ(まあ、試合のときはしぼってるし、この映画の役のイメージに合わせているのかも知れないが)なのだが、この映画の中で見ると、とてもいかつく見える。そうすると、鳴島亮の漫画的特異性がリアルに感じられる。ブルース・リャンもン・ジャンユーも、まごうことなく、漫画のキャラクターを演じきっていると思われるし、その中で、魔裟斗が、まったく挌闘家然としているので、どのようなことが起こっているのか、どういうことなのか、ということが、とてもわかりやすいし、そこまで陳腐だとも思わないという感じがする。ディラン・クオだけは、ちょっと違和感があった、でも、別にたいして重要な感じもしないし、ちょっとしかでてこないので、いいんだけど。。。でも、やっぱり、わたしは、ショーン・ユーに性的な思い入れは一切ないなー、この先もないだろうなー、と思った。そういう意味では、ものすごく冷静に見られてしまって、いまいちのめり込めない感じはする。いや、全然役としては全うされていると思うし、合っているとは思うんだけど、、次回のソイ・チェン作品も、主役はショーン・ユーなんだよなー。。。なんだろうな、エディソン・チャンにくらべて、殴られ方がいまいちなんだよ。なんか、どういまいちなのかはいえないけど、あれだけ殴られて、殴られて、ちゃんと殴られているんだけど、なんか、あー、それをみても、血が沸かない、エディソン・チャンが殴られてる方が、血が沸く。。なんでか、わかんないんですがね、、単純に好みの問題ですね、ここらへんは。。でも、うん、わたしは好きだったですけど、人にはお勧めできません。。原作ファンはどうみてるのかなあ。。
あー、でも、やっぱり、広東語でみたかったなあ。。そっちの方がいいと思うんだけど。。
でも、設定としては日本だし、日本でやるときは吹き替えになるのは当然といえば当然なのかもしれないけど。。ジャンユーの声、聞きたかったよう、、劇場で見たの久しぶりなのに、吹き替えなんて、うううう。。