HALO

彼女たちは言う
わたしたちは
あたまがわるい
彼女は言う
わたしは
あたまがわるいから
わるい
から
「生きる」
わるい
から
「わらう」
わるい
から
「あ」
先生よりも
わたしは
「生きている」


「ね」
ばかだから
「わからない」
たすけて
「と」
いえばいいの
「やって」
これを
「ね」
だだっぴろい
水たまりに
草がはえている
ゆれている
「ねえ」
「ねえ」
あなたのことを
すっかり忘れる
けれど
あなたは
消えたり
透明になったりは
しない
「残念でした」
彼女は
「ばかだ」
ぼくは
「ばかだ」
彼女と
ぼくは
ちがう
ぼくが
「死ぬ」


先生よりも わたしは 生きてる 
土に 足を つけて いる
倒れないように
わらって
いる


わたしは
ひばく している
かわいい
ばか
まちがい
ゆるし
いのり
あたま
からだ
わたしは
ひばく している
きみの
ゆびが
くさって おちる
「音」
くびを かしげる
「光」
めを ほそめる
なにも
あなたや
わたしを
みていない
きょうだいの
からだを
ひきずっている
トカゲは
きょうだいを
しらない
花は
はなびらの
数をかぞえない
ぶんれつ
する
やりかたが
あしたからは
ちがう
ということを
喉をいためて
だれかが
はなしている
なにもきいていない
水が
穴にすいこまれていく
なまえを
つけた
毛玉が
ちりぢりになる
なまえをつけられた
何 は
さいごまで
わたしを
認めなかった
運行は
運命とはちがう
運行に
轢かれる 何 が
あり そこには
声が ない
「音」
耳を 削ぐ
「光」
目を 塞ぐ


古文を 教えてるんです
ゆるく あいた 口が
横に のばされる
どうか 彼女が
長生きするように

私は 
つぶやいている