ピン


からだを
捨て去って
きみの
こどもに
なりたい
べたついた手を
まぶたに
おしつけると
産毛を
ひかりが
とおりぬけるのが
みえたよ
ラジカセの
ボタンを押すような
手ごたえさえ
ない
去年
きみにもらった
クッキー
おととし
きみにもらった
チョコレート
どれも
食べずに
コートのポケットや
リュックのすみっこから
でてくるんだ
ぐしゃぐしゃに
なって
どろどろに
なって
簡単な日常なら
ふみにじれる
きみの手も
わたしの手も
1キロ先に
飲み干せる水を
運べない
まざりあったものを
誰かに
舐めさせるのか?
必要がないのに
きみが
カカオから
つくった
チョコレートじゃない
きみが
粉をこねた
クッキーじゃない
手ごたえもなく
ぼろぼろの
かけらが
からだの
裏側を
すべりおちていく
まったく
なにも感じない
足音が
どこに向かっているのか
わからない
通行人のことは
蹴らない
おもいで
まるいものを
放った
砂に
めりこんだ
きみの
こどもに
なりたい
ぽす
という程度の
衝撃だけで
しかたなく
うまれたい
ひきちぎって
放ってほしい
ぽす
という程度の
音がする
場所に

 Yoct.

わたし
じつは
馬なんです

あの子が
言っていた!


わたし
じつは
草なんです

あの子が
言っていた!


そのような
紹介で
よろしいでしょうか
手足が
ひっくりかえって
歩きにくくなるでしょうか
壇上まで
体液を
ずるずる
ひきずっていきますか?


覚えている
というだけの
理由で
死なないでほしい
という
お願いをする
暴力
マンホールに
落ちないでほしい
ノルウェイの森
行かないでほしい
覚えている
覚えている
きみの
お願いだから
という言葉を聞いて
きみの
お願いを
聞かなかったことを
覚えている
だから
懇願は
いつでも
暴力になる
それは
他人にとってではなく
空から
突然に
わたしに
降りかかる
数千の金だらいの
ようなものだ
音楽が
沸騰した


馬であろうと
草であろうと
ボタンと
ポケットが
つきすぎた
ワンピースが
にあうよ
ワンピースを
きた
幻想の足が
わたしを
ふみつぶす
ちいさく
つぶされる
わたしは
かわいい
虐げられている
ときだけ
わたしが
かわいい
きみに
虐げられている
ときだけ
かわいげがある

にやついた
瞬間に
血がひいて
彩るものが
なくなってしまった


静止は
ひどく意地悪なのに
運動が
なれなれしく
やさしい
それだけが
わたしたちが
共有するもの


つまらないはなしを
ありがとう
拍手!
拍手!
拍手!

 めのう

わたしの
ずるり

あなたの
ずるり
とは
ちがう
ちがう
ずるり
です
ずるり
です
ずるり
ずるり
だってば
ずるり
ちがう
ずるり
そうじゃない
ずるり
わたしの
ずるり

もっと
こう
あなたの
ずるりは
もっと
ああ

ああ


そのあいだに
腐るものは
たくさんある
そして
ちがうずるりが
うまれる


枕にしてもよい
と思っていたほどの
小説が
いつのまにか
水浸しになっていて
眠れない
毛布にもかなわない
と思っていたほどの
音楽が
いつのまにか
がびがびになっていて
眠れない
なにもかも
すっかり
かわってしまった
いいえ
ただしくは
なにもかも
すっかり
わかっていなかった
ずるり
いつも
あなたの
皮が
めくれるときの音を
想像している
それが
わたしの
好きの
証明だとして
それを
いいたくて
たまらず
トイレだいじょうぶ?
と園長先生に
せかされている
だいじょうぶ
です
ずるり
その
ずるりは
けして
ただしくないのだ
そして
あなたは
うまない
あうああ
うむ
あうああ

朝日に
照らされている
ので
たやすく
ずるむけている
額に
ドリアンの
模様が
うきでている
だれかが
押しやっているのだ


はだかが
そらを
舞っている
わたしと
いっしょに
暮さない
はだかだ

 リー

ボタン
押す
みたいに
泣くんだ


指に
十字架が
横倒しに
なって
彫られてる


おたんじょうび
おめでとうって
いわれるの
いやか

おたんじょうび
おめでとうって
いわれるの
いやかな


すこし
きもちわるい

おもうんだろうか


静かに
なった
テクノは
廊下
ハウスは
階段
ノウ
トランス
必死で
頭ふって
自分を
投げ飛ばそうと
する
ものすごい

ものすごい

じぶんの
きたない足に
必死に
しがみつく
自分を
みたい
ってさ
バウン
バウン
ゴア
彼らの
目の奥には
なれなれしい
拒否が
あります
くいこませる
前に
なでまわすような
バウン
バウン
必死で
頭ふって
殺されないように
必死で
頭ふって
刺されたら
逃げられるように
しようって
思うのは
つらい
つらくない
わらっちゃう
アリが
むらがる
砂糖の島
みたいな
プライド
バウン バウン


からだ が うるさい
の で かべに はりついて
きえる ひ と たち
あたま は おしまい に
ならない てあ し が
かっ てに たたきこ わす
よ うす を ただ みてい る
あ な が でい り を
ゆるすの を しんどう
で おぼ える 


ぜんぶ
ころされる予行演習
ぜんぶ
おかされる予行演習
ぜんぶ
ひとりじゃなくなる
予行演習
ぜんぶ
もどってこない
こども


ちゃんと いきているのかなあ
ひとりで いるのかなあ
よつあし だったのかなあ
ふうせんみたいに おなか
ふくらんじゃったのかなあ
はれつ

おたんじょうび
おめでとう
って
いわれるの

いやか


いやか


いやか


いたくないように
やれるのならば
なんだってやってやる
のに
おまえに
いたくないように
やってくれるのならば
なんだってやらせてやるのに
おまえに

いう
いいわけみたいだから
いやか

立原道造に寄す
日時:2010年9月26日(日) 17:30〜18:00
場所:東京大学本郷キャンパス 工学部11号館前広場
入場料:無料(カンパ制)
内容:合唱、朗読
出演者:音楽の巣コーラス(合唱)、イシダユーリ(朗読)、葛原りょう(朗読)
主催:音楽の巣プロジェクト ongakunosu@gmail.com

http://yanesenmachigaku.blog97.fc2.com/blog-entry-165.html




没交渉ハイブリッド』

場所 荻窪Rooster NorthSide
http://ogikubo-rooster.com/north/index.html

時間 開場19:00 開演19:30

料金 ¥1000+飲食代(1drink以上)

出演者
tokyoescargots(DJ+リーディング)
イシダユーリ(朗読)
東京ディスティニーランド(一人芝居)
ジュテーム北村(朗読)




桑原滝弥 × イシダユーリ presents
「詩人類の夕べ 〜tamatogi〜 」

【日時】
10月2日  20:30〜

【料金】
無料(飲食代別途必要)

【MC】
桑原滝弥、イシダユーリ

【会場】
space turbo
渋谷区円山町2-20
Tel 03-5469-0250 (kensscratch)
http://www.kensscratch.com/gallery-space-turbo.html
http://mixi.jp/view_community.pl?id=4535760

【概要】
詩の朗読、及び、詩的表現をされる方なら、誰でも参加可能。
制限時間一人(組)5分間。自作他作不問。
音源(CD)、楽器(セッティングに長時間掛からないもの)使用可。
当日20:00〜エントリー受付。先着20名(組)。
※観覧のみのお客様も大歓迎です。

【問い合わせ】
TEL: 090-8545-2708
takiyakuwahara@yahoo.co.jp
詩人類(桑原)
http://shijinrui.blogspot.com/


2010.10.3(Sun) 
20:00〜21:00
@模索舎(新宿)
イシダユーリ、不可思議/wonderboy、Paranel、hana konure、
terumasa seto、他

 8月20日


マツリハイツ
鼻水 よだれ 充血 汗
あざ きず しみ にきび
毛 膿 毛穴 粉
きれい うつくしい すばらしい


何度うまれかわっても
わたしたちは
ブスにブスと言うのをやめない
デブにデブと言うのをやめない
美人を
変な目でみるのを
やめない
服は
ほつれ
金属に
ひっかかる
そのたびに
頭が
揺らされる
女に
メスと
いう
それらの声に
わかってない

言うのを
やめない


いま
マツリハイツは
床下浸水
ひしめきあっている
まるで
ヒューマノイド
すばらしい

装置

マツリハイツ

みにくい
うまれるのを
やめない
装置

みにくい

装置

すばらしい

破裂して
しみつく
から
誰が
うまれても
うつくしい


神様
よびだしてんじゃねえよ
ここには
人間しかいない
おびただしい
人間だけがいる