めのう

わたしの
ずるり

あなたの
ずるり
とは
ちがう
ちがう
ずるり
です
ずるり
です
ずるり
ずるり
だってば
ずるり
ちがう
ずるり
そうじゃない
ずるり
わたしの
ずるり

もっと
こう
あなたの
ずるりは
もっと
ああ

ああ


そのあいだに
腐るものは
たくさんある
そして
ちがうずるりが
うまれる


枕にしてもよい
と思っていたほどの
小説が
いつのまにか
水浸しになっていて
眠れない
毛布にもかなわない
と思っていたほどの
音楽が
いつのまにか
がびがびになっていて
眠れない
なにもかも
すっかり
かわってしまった
いいえ
ただしくは
なにもかも
すっかり
わかっていなかった
ずるり
いつも
あなたの
皮が
めくれるときの音を
想像している
それが
わたしの
好きの
証明だとして
それを
いいたくて
たまらず
トイレだいじょうぶ?
と園長先生に
せかされている
だいじょうぶ
です
ずるり
その
ずるりは
けして
ただしくないのだ
そして
あなたは
うまない
あうああ
うむ
あうああ

朝日に
照らされている
ので
たやすく
ずるむけている
額に
ドリアンの
模様が
うきでている
だれかが
押しやっているのだ


はだかが
そらを
舞っている
わたしと
いっしょに
暮さない
はだかだ