ことば

 HALO

彼女たちは言う わたしたちは あたまがわるい 彼女は言う わたしは あたまがわるいから わるい から 「生きる」 わるい から 「わらう」 わるい から 「あ」 先生よりも わたしは 「生きている」 「ね」 ばかだから 「わからない」 たすけて 「と」 いえばい…

 uki

すこし 道から 浮き上がって 歩いていると 何年も 会っていない ともだちの 体に つまづいて 転んだ 刷りガラスの 向こう側の 声だ blackbird blackbird お洒落に 生きることばかり 考えていた お洒落だなあと つきはなして 話すのも そのためだ ともだちの …

 hitahita

タイム涼介のアベックパンチが映画になる ということもしらずに パンパンになったパンダに おしつぶされて 窒息する 1時間後に 蘇生したけれど もう すっかりちがってしまった ちがって しまったの かしら もう すっかり? あかちゃんが いい においを させ…

ピン

からだを 捨て去って きみの こどもに なりたい べたついた手を まぶたに おしつけると 産毛を ひかりが とおりぬけるのが みえたよ ラジカセの ボタンを押すような 手ごたえさえ ない 去年 きみにもらった クッキー おととし きみにもらった チョコレート …

 Yoct.

わたし じつは 馬なんです と あの子が 言っていた! わたし じつは 草なんです と あの子が 言っていた! そのような 紹介で よろしいでしょうか 手足が ひっくりかえって 歩きにくくなるでしょうか 壇上まで 体液を ずるずる ひきずっていきますか? 覚え…

 めのう

わたしの ずるり が あなたの ずるり とは ちがう ちがう ずるり です ずるり です ずるり ずるり だってば ずるり ちがう ずるり そうじゃない ずるり わたしの ずるり は もっと こう あなたの ずるりは もっと ああ で ああ そのあいだに 腐るものは たく…

 リー

ボタン 押す みたいに 泣くんだ 指に 十字架が 横倒しに なって 彫られてる おたんじょうび おめでとうって いわれるの いやかおたんじょうび おめでとうって いわれるの いやかな すこし きもちわるい と おもうんだろうか 静かに なった テクノは 廊下 ハ…

 8月20日

マツリハイツ 鼻水 よだれ 充血 汗 あざ きず しみ にきび 毛 膿 毛穴 粉 きれい うつくしい すばらしい 何度うまれかわっても わたしたちは ブスにブスと言うのをやめない デブにデブと言うのをやめない 美人を 変な目でみるのを やめない 服は ほつれ 金属…

 8月8日

目を血走らせて わたしたちは マツリハイツに しがみついた うすいみどり色を イメージする まちがえた そもそも生まれがちがうから 強い! 弱い! ズルイ! どうせ愛されない 不器用だ という器用な自覚 ズルイ! ズルイ! 自分以外はみんなズルイ! 正しい…

 8月1日

神様よびだしてんじゃねえよ きれいな顔で 泥団子をさしだすな いのって ねえ いのって って わらうな にこにこするな ローン組めない おまえの宗教なんか 知らねえよ 話 が通じねえ いのって いのって いのって ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

 7月29日

「ヤバイ」 おれ 神取忍が 泣かないように してるとこ みたら もう 一生 打ち上げ花火 みられなくっても いい 「ヤバイ」 「あれ」 「おおきくなる」 「こっちくる」 わたしは 高速道路のうえで わたしたちになっていた 「わたしたち」 は マツリハイツを 殴…

7月20日

* 高速道路からみえる 一番目立つ集合住宅 おそらく ここは 八王子あたり 名前を つけるマツリハイツ窓のひとつ ひとつに すき きらい を はりつける 頭だけを はりつける 身体を しらなかった 「雲が巨根」 「一番イタイ目みなきゃだめなんだよ」 「タフさ…

 カーブ

うまれて 12年 生きたら 男の子の おちんちんは 切り落とし 女の子の おまんこは 縫いとじれば いいんだから からだが おおきくなる みな 巨人になる 子 になる はらぺこ あおむしが 食べきった あとの 枯野 で 電信柱が 群発するあれは おかあさん あれは…

 landa

owl city という なまえの まちを oil まみれ にしたら そこから killing が うまれ かれ は はしる 平行線 の となりを はしる スピードを あげるのは 足 ではなく 風景 である ということに killing は きがつかない だから 指を さされ にやにやと わらっ…

 騒

ただ きみの ひるがえる肩が 遠い国の祭りのようだった ただ きみの あげる声が ひばりのはばたきのようだった と きみに 伝えたかった だけ なのだと 新宿駅構内の BECK'S COFFEEで ふと 思いついた 誰かが 誰かと 一緒にいたこと など なかっただろう 人間…

 ツォ

自然や 動物や 静物を つかってしか ものがいえないなんて なんて と そこから さきに つぐ ことばが ない なんて なんて と 沸きあがった からだが うそのように しらないものに なった わたしたちも動物なのだからよい わたしたちがあつらえた静物なのだか…

た 先生は言いました あなたも自分で選んできたはずでしょう と とと か かか こ ここ ボタンから指をはなせば な なな て てて 折り畳まれた頭をもったので ブラジャーの素材を 選ぶことになった あるいは ブラジャーをしない ということも ドラマチック! …

 周期

おとこが あかんぼうの はなしを している おとこのこえは ひどく かわいている 夏が 二度とは 来ないことに なったのを 知っている? だから とろけたあと とがりついた 皮膚の凹凸は もとにもどらないし 草は ずっと黄色いままだ あかんぼうは ちいさかっ…

 maroo

永遠に独白しつづける少年少女の夢 ナイーブであることが夏休みを凍えさせたけれど 薄い氷にとびこんだときに からだがコバルトいろになったよ と言った ぼくのほんとうの髪は 茶色くて やわらかくて たくさんで ふくらんでいて からまっている そこには 鳥…

 レンガ

階段を降りて 坂道を下ったら ともだちがきえていた 目の前を 横切る電車に 乗っていったのだった 老夫婦が手をつないで それを見ながら 歩いていた Aを語るB Bを語るC Cを語るD と 吐き気はつのり もう 夕方だったんだな 帰っていく はずだ 彼らも 壁に 思…

 欄干

廊下に内臓が転がされている なぜでしょうね においがない 鼻歌や 空耳ならば だれにでも 落ちてくるので すくわれない 5本指を めいっぱい くっつけて めをつむれば いい その まぶたの うらに いる いろが うそ わたしが きみを 殴りたいのは きみが わた…

 パントリー(家)

金網にしがみついて 線路をみる 金網をがたつかせて ギャングごっこの 真っ最中長い黒髪を 結わえた アジア系の 男が ゆらゆらと こちらに 向かってくる 背中に たくさんの みつあみを 垂らした 黒人の 女が 遠ざかる このように まわりに ひろがる こと こ…

 すとん

生活の音が わたしの心臓を 脅かす おにいちゃん おかあさんを かえしてよ お墓が 点在しています 109 IOIO HILL S 手を合わせている のは ホスト 棒立ち 麻雀 わたしと あなたたたちは みな 別居ですね わたしの 家に 住んでは いません あなた…

 SO(S)

ああ ふれる ふれる ふれるな わたしたちはいつも わけわからないまま ひとのはなしばかりしている わけわからないまま ひとのはなしばかりきいている わけわからないまま ひとを おどる ひとを なぐる ひとを だまる な あ ふれる なんどでも おもいだすこ…

 GO HOME NO HOME

やわらかいものが ひきつれて きもちいい と かんじるのだとすれば そのたびに しにたえるものが あって からだのなかの しろい だいこんのかたちを した かみさまが ぜんしんで なく なく あなが ないわたしの だいこんのかたちを した しろいかみさまは な…

 火曜日

わたしの 恋人は いつも 夜になると 丘に なります わたしの 恋人の 丘は 言います すこし 静かにして さらわれるよ すこしずつ 部位を 抜き取られる 場所に つれていかれるよ わたしたちは 肺 を 海 に 心臓 を 川 に 腸 を 沼 に ひたして 苦しんでいる わ…

 習い

今日は みな ではらっているようです お風呂場に わたしの皮膚が 干されているので ちゃんと 持ってきてください ひとは 雪じゃねえし 紙じゃねえし ことば ですら ないので ちゃんと わたしの皮膚を 持ってきてください お祭りの 夜の 路地まで ちょうどよ…

はじめから まちがっているので あたま れきし しごと かがく あたま あたま かそう くうかん 国 みなで いまいましい 塔 ぼろぼろに して のぼ る ? はじめから まちがっている ので どうにかして ただすために いきていかねばなりませんよ そうだろ? そ…

たとえば 人殺し しなかったと しても 窓に うつる 歩行者の 一瞥を がたつかせたく なるほどには 愛も 知ってしまって いるのだから 中途半端な 位置を 腫らす この腫れならば ここは通れる けれど あそこは通れません 新参者のホームレスがいる場所は公園…

 Drom

ぼつ ぼつ と した 雨 が ふ り 葉っぱをくっつけた まま 地平線 から した いつも はみだしている ざんこくだ うみ あふ れ うそ きもちいい ばっかりだよ かきまぜられた 塵 が オンナノコ ノ ブキ ハ イツダッテ ペンチ アナ ヲ ヒロゲル ルルル 目の前 …