8月8日


目を血走らせて
わたしたちは
マツリハイツに
しがみついた
うすいみどり色を
イメージする
まちがえた
そもそも生まれがちがうから
強い!
弱い!
ズルイ!
どうせ愛されない
不器用だ
という器用な自覚
ズルイ!
ズルイ!
自分以外はみんなズルイ!
正しいことばかり
言わないでよ

おっぱいは言った

神様
よびだしてんじゃねえよ

かぶって
べつの動物のふり

踊ってんじゃねえよ
目を
つぶれば
足元に
彼岸が
目を
あければ
ひとの
群れが


空に穴があいて
そこから
とりだす
腕を
肩までつっこむ

ミカが言った


ダイスケは
許してくれよ
と言って
泣き崩れる


許してくれよ
おまえが
なにいってんのか
ぜんぜん
わかんねえよ


マツリハイツが
森をのみこんでいく

 8月1日


神様よびだしてんじゃねえよ
きれいな顔で
泥団子をさしだすな
いのって
ねえ
いのって
って
わらうな
にこにこするな
ローン組めない
おまえの宗教なんか
知らねえよ

が通じねえ
いのって
いのって
いのって


ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


マツリハイツが
体液を逆流させて
近所迷惑になった
いのらないでください!
隣人にころされますから!
  すばらしかった
  わたし
  にんげんだもん
  せかい
  というところに
  いるんだもん
いのって
うるせえ
いのって
だまれ
  よだれをたらしながら
  矢を放った
  雨が呼ばれた
  マツリハイツは
  三鷹の森
  のみこまれていった
スゲー
ヤベエ
キレイ


だって
わたしたち
にんげんだもん
わたしたち
おとこのこだもん
わたしたち
おんなのこだもん
マツリハイツは
わたしたちから
なにか
気持ちわるいものを
噴きださせるための
装置だ
ヒューマノイドのように
間違え
まっさらに
みえる服を
着て
言う
ヤツら
わたしたちを
馬鹿にしてる!

 7月29日

「ヤバイ」
おれ
神取忍
泣かないように
してるとこ
みたら
もう
一生
打ち上げ花火
みられなくっても
いい
「ヤバイ」
「あれ」
「おおきくなる」
「こっちくる」
わたしは
高速道路のうえで
わたしたちになっていた


「わたしたち」

マツリハイツを
殴打したあとに
愛撫した
マツリハイツを
刺したあとに
止血した
マツリハイツを
窒息させたあとに
蘇生させた
壊死
していた
ことは
すっかり
わすれた


世界って
クソみたいに
「すばらしい」

人間って
「クソみたいに」
すばらしい
ラー
わたしたちは
「ヤー」
鼻水をたらしながら
眼をぎらつかせた
神取忍
「白鳥忍」
「かんどりしのぶ」
「しらとりしのぶ」
「あらいしのぶ」
「しのぶ」
「しのぶ」
「ほくと」
「しのぶ」
「ほくと」
「ア」
「ジャ」
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

7月20日




高速道路からみえる
一番目立つ集合住宅
おそらく
ここは
八王子あたり
名前を
つける

マツリハイツ

窓のひとつ
ひとつに
すき 
きらい 

はりつける
頭だけを
はりつける
身体を
しらなかった
「雲が巨根」
「一番イタイ目みなきゃだめなんだよ」
「タフさがゾンビみたい」
「胃が3つ 腸も3つ それでも半人前か」
「ウシ! ウマ! ウシ! ウマ!」
「ライオンズマンションなんてクソくらえだ」
「世間わかってねえんだよ」
わたしは
尽きない
悪口でも
称賛でも
ない
けれど
会話の
8割を占める
雑言を
マツリハイツに
むけて
叫ぶ
もう! 
ここは!
東京じゃ!
ない!!!!
空に
吹き出し
ひろがり
マツリハイツに
つきささる
「サイコー」
「エモい 超エモい」
「ヤバイ」
「ヤバイ」
「ヤバイ」
「ヤバイ」



 カーブ


うまれて
12年
生きたら
男の子の
おちんちんは
切り落とし
女の子の
おまんこは
縫いとじれば
いいんだから
からだが
おおきくなる
みな
巨人になる

になる
はらぺこ
あおむし
食べきった
あとの
枯野

電信柱が
群発する

あれは
おかあさん
あれは
おとうさん
あれは
おとうと
あれは
いもうと
あれは
チロ



夢をみた


11月
6月
そして
2月


長子でも
末っ子でも
ひとりっ子でも
真ん中でも
ない
子に
なる
それは
どこにいるか
わからない
いつのまにか
マンホールに
おちている
手足なし


夢をみた
路地で
日のうちに
おまえが
わからなくなった

見下してくれるね
やっぱり
そうなんだ
うれしい
うまれて
12年
生きたら
指でおせる
部分を
こそげおとして
未来の
服を
着る
ここから
死ぬまで
脱がない
服だ
もう
できるんだよ
なんだって
よけいな
諸派
じゃまをしているだけだ
ゆびで
はらで
なぞられても
一切
気づかず
いる
生まれた
見下す
産んだ
見下す
育てる
見下す
遺棄する
見下す
それが
生きてる
という
感覚
うれしい


諸派
じゃまをする
夜明け
なぞられても
一切気づかない
12年後に
巨乳ちゃんを
揺らして
すべての子どもが
レイプから
うまれる
なぞられても
一切気づかず
見下す
自分の首を
両手で
もって
花の役をやる
12年後
まいにちが
おゆうぎかいだ


夢をみた
凸凹が
ない
あしもと


あのこも
あのこも
あのこも
もう
いない

 landa


owl city
という なまえの まちを
oil まみれ にしたら
そこから 
killing が うまれ
かれ は はしる
平行線 の
となりを はしる
スピードを あげるのは
足 ではなく
風景 である
ということに
killing は きがつかない
だから
指を さされ
にやにやと わらっているんだ
なにが 罪だ
なにが 罰だ
なにを 深刻ぶっている
もう そんな時代は
過ぎたというのに
cheese が
いろ も かえず
くさって いく
killing は 手をあげる
かれ の ものだ
かれ は おれだ
線 が かれの もの だ
spoil される
と 肥満型が 遠ざかる
まいにちが
ぶよついた まつり だ
おれ の ものだ
killing が
cool という
一瞬で
サッカーが おわる
寝たら 死ぬ
全体性
有意性
確率的
蓋然的
killing は
fuck off という
胸に 胸を
合わせられた
きもちわるかった
fuck off!
にほんご だいすき
性 と 的
しか ない
さいこうな dumn
killing の hell
かのじょ の もの だ
おれ は かのじょに なる
滲みだして とまらない
視野 が
はあ はあ と
上下 して
loss が
まいにち が
跡地 だ
サーカスでは
頭からの 落下
軍隊からは
ひとりずつ
等間隔に 行き倒れ
owl city は
銅製のコップに
water だけ
用意している
からだ は しぼんだ
killing は
12歳 で
かれ は はしる
おれ の ものだ
かれ の ものだ
かのじょ の ブヨ
fuck off !
ひきわけ の はだか

さあ みず を のんで
なにも しゃべるな
だいじょうぶだ
すぐ くる
だいじょうぶだ
たすかる
なにも しゃべらなくていい
うう うう
cool
いつのまにか
ゴールが きまって
だれかが かおを おおっている


何十万人という人間の仲間を殺してまでも、宗教指導者や国家指導者に可愛がってもらいたいのである。
      −「The Eternal Child」Clive Bromhall−



目に見える
自分のからだ
そのどこにも
歯をたてる価値を
見いだせない
毛がまばらで
胸は重い
もう
十分に
よわいからだ
のろのろとした
からだ
なのだから
それ以上
剥いても
なにも
あらわれないだろう
きれいで
つよいものは
なにも
罪悪を
考えるしか
人間には
能がないのだ
食べやすい
おいしそうな
ものだろうか?
わたしたちは
らくに
たおせる
無駄な
思考だろうか?


そして
実際に
おいしい
ということが
あるだろうか?


額縁から
はみ出した
肌色
それは
エネルギーの
象徴だ
そして
それは
実際に
ふるわれる力
とは違う
やっとのことで
編み出した
想像力

空気に
意味をあたえる
けれど
そんなものは
疲れる
よけいなものは
いらない
子どもの頃
だれもが
海で
死ぬかもな
と思ったこと
があるだろう
浅瀬で
溺れかけて
あの
馬鹿らしさで
恋愛
というものが
行われる
きれいだ
きれいだ
おまえは
自然だ
宇宙だ
いのちだ

くりかえす
きれいだ
はみだす
わたしの
からだを
やぶって
うまれる
おまえが


いやだなあ
こっちに
こないでほしい
なぜ
そんなにも
ほこらしく
財布を
お尻から
つきだして
いられるのか
わからない
あの子のことも
あの子のことも
だれのことも
同じように
蔑み
同じように
敬う
ことができないのは
なぜだろう
エネルギーが
わたしには
足りず
俊敏さや
つよい
体は
もとより
望めないのだった