何十万人という人間の仲間を殺してまでも、宗教指導者や国家指導者に可愛がってもらいたいのである。
      −「The Eternal Child」Clive Bromhall−



目に見える
自分のからだ
そのどこにも
歯をたてる価値を
見いだせない
毛がまばらで
胸は重い
もう
十分に
よわいからだ
のろのろとした
からだ
なのだから
それ以上
剥いても
なにも
あらわれないだろう
きれいで
つよいものは
なにも
罪悪を
考えるしか
人間には
能がないのだ
食べやすい
おいしそうな
ものだろうか?
わたしたちは
らくに
たおせる
無駄な
思考だろうか?


そして
実際に
おいしい
ということが
あるだろうか?


額縁から
はみ出した
肌色
それは
エネルギーの
象徴だ
そして
それは
実際に
ふるわれる力
とは違う
やっとのことで
編み出した
想像力

空気に
意味をあたえる
けれど
そんなものは
疲れる
よけいなものは
いらない
子どもの頃
だれもが
海で
死ぬかもな
と思ったこと
があるだろう
浅瀬で
溺れかけて
あの
馬鹿らしさで
恋愛
というものが
行われる
きれいだ
きれいだ
おまえは
自然だ
宇宙だ
いのちだ

くりかえす
きれいだ
はみだす
わたしの
からだを
やぶって
うまれる
おまえが


いやだなあ
こっちに
こないでほしい
なぜ
そんなにも
ほこらしく
財布を
お尻から
つきだして
いられるのか
わからない
あの子のことも
あの子のことも
だれのことも
同じように
蔑み
同じように
敬う
ことができないのは
なぜだろう
エネルギーが
わたしには
足りず
俊敏さや
つよい
体は
もとより
望めないのだった