7月20日




高速道路からみえる
一番目立つ集合住宅
おそらく
ここは
八王子あたり
名前を
つける

マツリハイツ

窓のひとつ
ひとつに
すき 
きらい 

はりつける
頭だけを
はりつける
身体を
しらなかった
「雲が巨根」
「一番イタイ目みなきゃだめなんだよ」
「タフさがゾンビみたい」
「胃が3つ 腸も3つ それでも半人前か」
「ウシ! ウマ! ウシ! ウマ!」
「ライオンズマンションなんてクソくらえだ」
「世間わかってねえんだよ」
わたしは
尽きない
悪口でも
称賛でも
ない
けれど
会話の
8割を占める
雑言を
マツリハイツに
むけて
叫ぶ
もう! 
ここは!
東京じゃ!
ない!!!!
空に
吹き出し
ひろがり
マツリハイツに
つきささる
「サイコー」
「エモい 超エモい」
「ヤバイ」
「ヤバイ」
「ヤバイ」
「ヤバイ」