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たとえば
人殺し
しなかったと
しても
窓に
うつる
歩行者の
一瞥を
がたつかせたく
なるほどには
愛も
知ってしまって
いるのだから
中途半端な
位置を
腫らす
この腫れならば
ここは通れる
けれど
あそこは通れません

新参者のホームレスがいる場所は公園にはないのだ
と
ニュースが言っていました

どうしても日食が見たい
と
島に入りこむひとたちが
たくさんいます
と
ニュースが言っていました

列車に乗って
ながれていく
むこうがわ
踏み抜いていく
場所を
間違えたから
うまれつき
たましいが
卑しくて
あら
まあ
ほんとうに
もうしわけありません
と
睨みつけている
と
ぜったいに
だれかしら
それを見下ろして
いく
の
よ
足元が
泥だらけで
くさい
から
足早になる
わたしも
みんなも
甘い石ぶつけあって
ここ
わたしの場所じゃない
あそこ
あなたの場所じゃない
借り物の
脱がれない
殻で
借り物の
経験を
手　濡らして
ちまなこで
する　する
もっと　ね
もっと　くれ
よ　
みんなの
場所
どこにもないよ
もっと
重い
おもり
持ってこなければ
あれも
あれも　あれも
ひかりだと
抱きつく
ことに
なります
ふりおとされる　ために
どうしても
にっしょくに
なりたい
どうしても
こうえんで
おどりつかれて
ねむりたい
おーろらに
なりたい
きみの
おちんちんに
なりたい
そうして
おひめさまを
くしざして
まもりたい
いつだって
睨むことしかしらない
そうやって
すこし
視線
さされるしか
ない

もう　足　つける　土　ないのですか　ね

たとえば
人殺し
しなかったとしても
列車に乗って
だれか
の
ところ
へ
降りる
くらいに
は
帰りの
路線を
調べながら
列車に
揺られる
くらいに
は
絶望しているのだ
った