借り物


寒い国

暑い国
などが
世界にはあって
軍隊

サマースクール
などが
国にはあって
初恋や
水あそび
などが
行われて
地べたに座って
氷砂糖をかじったり
ソーダを飲んだり
している
ひとたちが
います
人間は模様が好き
例にもれず
わたしも模様が好きです
タペストリ
有機的な風景が
腐るのではなく
色あせる
けれど
きみは星
みたいだった
星だったんじゃ
ないのか


[side a]
ひとんちの
すみのほうで
いい子にしてたくなる
わるい癖
しらないひとの
うちだ
ぶる ぶる
最初から脱臼してる
愛のことば
くちびるがきれている
す すみません
よた よた
ひく つ
く そなえつけ
なのでじゆうがききません
お金を
とられるくらいだ
手間賃と処理費です


[side b]
どれもわたしのだし どれもわたしのではないのだから かんしゃくをおこして 
いやがられますよね いやですよね と かんしゃくをおこして
もっと いやがられますよね そうですよね 
もっと もっと さきまわり させておくれよ 
天災てきな かんちがいで もって
さきまわりするのだけが とりえなんだから 
ああ これも うそ かなあ
だれもいなくなれば どれが わたしのだか
わかるはずなのだけれど
だれもいなくなれば どれも わたしのではないと
わかるはずなのだけれど
そうしたら さきまわりが できなくなってしまうし
じぶんで いう いやらしいなあ は
ふるい クラッカーみたいに たべられたもんじゃ ない
きみらで ぐちゃぐちゃの からだを
ひきずって みせつけるから さあ
ゆび と あな は つかいようが ある
たまのような たまが うまれるかもしれません


(石田さんの口をひとつ閉じます) (結局なにもいっていないことと同じです) (胸ぐら)


ベッドの中で
なでつける
いもむしのような
感情を
ちゃんと
のみこもうと
毎夜やってみるけれど
歯がたたないし
刃物はねじくれるし
わたしのほうも
いもむしなので
ちからなく
なまえのない液を
吐きもどすだけ
きみは
かたくて
ちいさくて
あかるくて
わたしの
全面の腹の
うえにいたけれど
刺さらない
刺さらなかったよなあ
刺さらないんだよなあ
ちくっとは
したはずなんだけれど
そのとき
きみは
ちからがたりなかったって言う
わたしは
ぶよぶよすぎたって言う
そうやって
笑う
そうやって
すこし
泣く?
くだらないよね
鈍いよ



[side c]
もういっかい もういっかい もういっかいだ
いまんとこ ソーセージじゃないんで
焼けたり 燃えたり しないから
もういっかい やろうよ