おつかい


すげえ肩を
もっているから
ボールを
投げるよ
いまから
ほら
投げるから
みんな
だれひとり
もらさず
みんな見ろよ
その
ひととき
線でない
線だけ
あるから
みんな見ろよ
ほら
ボールが
とんでいく
とんでいく
雨の中を


まったくさあどうしたらいいんだよわかんねえたぶんこわいのはひとがひとりひとりいてひとりひとりいるからみんなどうやってやっているのかわからないし骨がひとつひとつつらなってきみたちを形成しているのだからそのうえに体液や脈や筋肉が巻きついて回転している上昇しない巻きあがらないきゅうっとしてただきゅうっとして立っている歩いているああ怖い!怖いんだよ!その構築のされかたそのものがさあばけものじみているわけじゃないのにつるっとしているつるっとしてわたくしもそのようにきれいにつみあげられているのでしょう生存に適した形で!みなうつくしくけいかくてきにぐたいてきに社会!社会!ぜんりょくでぜんそくりょくで逃げていきたいけれど逃げていくのが怖い!風がおこってしまう臭い手をひっかけるところがない硬いところが硬すぎる やわらかいところがやわらかすぎる
愛が生まれすぎて 誰かがぺったんこになるのに
きみはよく平気だな そんな平気な顔していられるな
ちがう 平気じゃない わたしのからだは丈夫です 
健康なので サインが だせないんです
熱 熱は 平熱 バラバラにならない踊りなんか 踊りじゃない
だれも 踊れない
ただ太陽がぼくたちを照らしてくれたらいいのに
ただ太陽がぼくたちをぜんぶいっしょの炭にしてくれたらいいのに
ぼくたち、ってだれ?
あたしいがい、それを望んでいない
あたしさえ、それを望んでいないのに
犬が
骨を
くわえていった
あれ
わたしの
骨です
って
嘘で
きみになにが伝わるっていうんだよ!


ボールは
どこに落ちるの
すげえ
肩をもっているから
だれも
それを
知ることはできないよ
だから
詩の朗読を
します
いまから
します
だれも
弔えません
ひとり
ひとりで
きみに
嫌われたくない
きみたちに
嫌な顔させたくない

思ってた
はずなのだけれど・・・・


ボールはきれいな黄色でした
ボール言葉は
どうぞ、おだやかなきもちで
でした


ありがとうございました