あたらしい武器

ローラースケートを履いている
がりがりのクラップハンズ
あんたの腰の振り方なんて
なにも呼び込めない
金属につぶされた手の甲を
振りかざす
泣くか泣かないかなんて
衝動や病には
全然関係ない
立つか立たないかなんて
主張や正しさには
全然関係ない
はりぼて


あたらしい武器がほしい
マシンガンで
刀で
槍で
鉄球で
爆弾で
暗器で
毒で
チェーンで
呪文で
ヌンチャクで
三節棍で
矢で
そのすべてで
どれでもない
あたらしい武器


あんたの
アイドルの頭痛を
吸い出して
曲線を描く
あたらしい武器
金をやわらかくして
固有名詞で
あんたを窒息させる
泣いて
泣きおわって
忘れた
あたらしい武器を
枕元において
抱きしめて
眠る
あんたの
アイドルは
明日にはもう
鉄格子をがたがたと
揺らして
しらなかった
おれは幻想をみてた
って
AからDの
おれはぜんぶ嘘だった
って
ななめにさしこむ
閃光を演出
して
くちびるをかむ
なにも呼び寄せられない
あんたの腰つき


ずれることもできない
クラップハンズ
鞘におさめて
指先で埃をまるめろ
裸で
つぶれた手の甲を
草で拭い
腹だ
あたらしい武器を
腹に
つきさして
おさめて
めりこむ
おまえの
マスクのような
からだを
なでて
毎秒で色を変えてやろう
あたらしい武器と
眠るわたし