タチ

足が冷える 花みたいに


足で土を踏む 蛇のねどこ




ふとももを
ながれては
おちて
溜りをつくる
液体に
むらがるムシタチ
糸が亀裂から
あふれだした皮膚
うきあがる

すりきれた脂肪の
ように
つぶれては
ながれるなんども


冷えた手すりのまだらのうえに国をつくろう
陽のあたるアンダーグラウンドという名前の


弾けない楽器のかずかずに
おしつぶされて
死んだ
ムシタチ
つぶれる脂肪
粒がはねかえす
ひかりで
アンダーグラウンド
一生陽があたりつづける
ガイコツの国


軋むファッションで
なにかできる
なにかできると
騒ぎつづく
脳みそのスパイラルで
XとYとZの関係性を
解き明かす
会議は
踊る
音をたてる体液を
かけあうような
論理
がたがたと
震える手足
薄い紳士用の靴下を
相手の口に
つっこんだときに
もれる声のような
理論


ソウルという積み木を買ってプレイしつづけるアイアイ


すっかり
灰色になった森を
陽のあたるアンダーグラウンド
国民たちは歩き回る
彼らのXとYとZの関係性に
汚れがつまっている
ある一時点からはじまるネズミの死骸
歩き回る方向を失った方向を示す
彼らはいっせいに
げろをはく
灰色の森に
はじめての
臭気が漂う
けれど次の夜にはすべてまた灰色になって
グラデーションに触れる
彼らは
彼らのからだの
なかのげろに
よってまた
げろを
はく


寒さがやってきて
彼らは
肩をふるわす
彼らは
指に
国の屋根をはめて
がちがちと
いわせた
そういうクソみたいな
文化で 音楽で
彼らは
おまえらを
バカにする権利ってのを得た
アンダーグラウンド
溝溝溝溝くさい水で
おしつぶされる
ガイコツの国


クソみたいな
音楽が
がちがちと
ニンゲンくさく
ふるえ
クソみたいな音楽が
ムシタチを
はきだす




足が冷える 花みたいに


足で土を踏む 蛇のねどこ