きのうの空は欝血したくるぶしみたいだった
ねこのはらをてのひらでなでて
地球はほんとうは崖をめざして転がっていきたがって
いるのに宇宙はミッドナイト 点点をつけて
シャツの色のなまえになってしまう
記憶を土にうめていく
ハロー ハロー
ハロー ハロー
どうしたらいいのかって
白い円にきいてみる
どうやったらわたしたちのからだ
おしとどめていられる
ハロー ハロー
ハロー
錆びたラジオを腰にぶらさげて
道にたつ
さえぎるものをぜんぶ
うしなってしまえないでしょう
ちぢんだ花のかけら
背中に点点や水をできるだけ
背負って だれか
ハロー
行こう 行こう
崖をめざして
崖がやってこないって知りながら

土にふるえる 音楽も わたしたちは 知ったのに

顔にあたった
きょうの葉にはいった脈のかずをかぞえてた
まっすぐにひかれた
硬い葉
甲虫のからがつくる半円に
ひかりがうつる
奥歯でかみくだく薬の味に似て
アスファルトにしみだす
体液
体液があふれる
傷がついた
からだをだく
できるだけおおくのからだを
よこたえずに
だく 
地球にうめこまれた
わたしたちの矢印が
回転していくなら
ハロー ハロー ハロー ハロー
空のせんに
そって ベイビー ベイビー ベイビー
わたしたちの
たいせつなひとたち ベイビー
なんで ちゃんと
好きで いられないんだろう
どうして ここから
たすけて って だれかの
血が ながれるまで いえないんだろう
ハロー ヘルプ ハロー ヘルプ
きみのことを
わたしと おなじように
おもえないことに 麻痺していくのを
とめる 地球から 矢印を ぬきとるの
ヘルプ ハロー ヘルプ ハロー


生きて行きたいなら
ほんとうは 麻痺していくのを とめる
だまってても 坂をころがっていく
あたまのなかの 手足を 
わたしの ほんとうの 手足で つかんで
ベイビー きみを だくみたいにして
とめる とめて ヘルプ
コンビニエンスストア
わたしの買う ビデオテープを 袋に入れてくれた
手足の 奥には からだがあって
レジにおとす視線のおくには 光彩があって
おちていく 土のありかまで
矢印がでていく 宇宙まで 
ヘルプ
わたしは
点点や水や口にするものすべてを
背負って 道にたって
ハロー ヘルプ ハロー
よこたえずに
わたしたちに 触れる
わたしたちの ぜんぶを だく
崖がないとしりながら
崖をめざして
ハロー
ヘルプ