みなと みらい


ずっと続く白い道の下に
うずめられている
わたしたちの裸
ポピー
噴水の水が
かかる
手をつなごう
手はないけど
キスしよう
くちびるは
ないけど
恋をしよう
呼吸は
できないけれど
わたしたちの裸の
うえを
服だけが
やせ細りながら
歩いていく
空からは
色とりどりの
シャツや
下着や
コートが
際限なくふってきていて
かわらずに
広い
ポピー
ポピー
車にはねられる
急いで
触手が
埃を払う
重ね着!重ね着!
それは指令です


なんてひどい世界で生きているのだと脳みそが濡れる
白骨化した街がそれでも餓えていて
花を花をともとめ撒き散らす
人はこんなにも醜い
歌を歌をともとめ騒ぎ散らす
けれど
泣くんだね
鳴くんだよ
うずめられている
裸が
引き金を
錆びつかせるから
とびとびの

ちかちかの
電気
罵り合う声を
空気にまぜて
恋をしよう
循環するだけの
滝のなかで
きりとられた
部分を
すりあわせて
死んだ兄弟のことを
話そう
きみはきみのお兄さんのことを
わたしはわたしの妹のことを


泣くんだよ
きれいじゃないものが
きれいだから


犯したり
ひんむいたり
するくらいなら
殺せばいい
そうしたら
きみを
死産にする
浅いところで
ばしゃばしゃやれよ
それは
裸だ