だれも
殴ってくれないので
ひとりぽっち
だれにも
殴らせないように
しているから
ひとりぽっち
ほんの
ちょっとの
痛みで
いいのに
逃げをうつ
こわいなあ
わたしの
ひるがえりが
なんの脈も
もっていないのじゃ
ないかと
こわい


からだが
わたしに
愛想をつかして
港に
行こうとする
からだが
わたしに
愛想をつかして
いる
ねえ
どうしたらいいの
だれもかれも
うしなう





もうだいじょうぶ
あきらめているの
おちんちんをもつことや
ロックンロールバンドを組むことや
教会を燃やしたり
ひとを殺して食べたりすること
あきらめているのだから
わたしは
生きていける
ユーリちゃん
けっこう胸大きいんだね
ユーリちゃん
けっこうかわいいんだね
わたしは
生きていける
ありがとう
わたしはとってもかわいい
ユーリちゃん
泣いてもいいんだよ
ユーリちゃん
おかしくなってもいいんだよ
おーい
おーい
わたしはとっても凶暴
からだしかないので
ユーリ
月に行くんだろ
ユーリ
立て 立て 立てよ ゴラァ
さあ
もう認めよう
女の子なんか嫌い
男の子が好き
もう
あきらめよう
女の子を信じたい
男の子なんかいらない
彼らは
星の中眠りにつく
大きめのパジャマをひきずって
すきよ
すき
すきだ
あきらめたものたちが
つぶやく
すき すき だいすき
裏切ったままでいいから
手をつないでよ
傷つけていもいいからさ
うんざりだって
顔しながら
すこしだけ
頬を
さわりあってほしいよ






からだしかないので
木々も
きもち悪くなってしまうの
ぼこぼこと
わたしの脈が

彼らを
腫れあがらせて
しまうから
あの子の名前を
上手に隠しておくことは
つちにつばかけて
子猫を
生えさせること
きみの
筋肉に入りこみたいよ
そうして
切ってしまいたい
歩けない

泣けばいい
怒りに
悲しみが
ふくまれていたらいけません
きみは
なにもわからない
ただ
あの子がいない

泣けばいい
湿地が
あしあとを
ぜんぶ
消す
それでも
のこってしまうのは
きみの
泣きそうで
泣かない