アーミ
心臓を
何度も
破裂させ
ながら
とんで
いく
カモメ
東京は
戦場
だから
と言う
街宣車
が
そこ
ここ
に
りんごを
噛む
音にも
脅える
心臓を
何度も
破裂
させ
ながら
日常
なんて
言葉は
ない
恋人の
体の
中身を
目に
焼きつけて
も
東京は
戦場だから
と
叫ぶことを
だれも
やめない
幻の
女の子の
唄が
路地に
流れ出す
ロックンロールの
神様
あたしに
おちんちんを
ください
マンホールの数
を数えながら
歩けば
夜が
来て
あれは
花火じゃないのよ
と
母親が
子どもの
ボタンを
とめなおしている
あれは花火じゃないのよ?
ここは戦場じゃないのよ?
ロックンロールの神様
わたしたちが
想像するべきなのは
どちらなのか
あれは花火なのよ!
ここは戦場なのよ!
舌が
火傷をしている
この
火傷を
全身に
ひろげ
恋人を
もう
一度
殺す
そうしないと
やさしいこころを
もてないという
嘘
わたしたちが
想像するべきなのは
東京は童貞で
いつもパンツを
濡らしているだけのこと
だれか!
だれか!
と
みっともなく
震えるにきまっている
わたしのからだ
逃げることに
必死になるにきまっている
わたしのあし
だれか!
だれか!
と
言うことしか
できなくなるにきまっている
わたしのくち
わたしのわたしのわたしの
とくりかえす東京
だから
わたしの
からだが
底から
震えだすまえに
景色の
震えを
方角の
ぶれを
想像して
いく