ENDS


きみのことをおもうと
内臓が腐っていくようなきもちがして
ぐずぐずになる
スポンジの石を海にうかべて
そのうえに乗ってしまうきみ
どうしよう どうしようと
わたしの口の中は乾き
いやなにおい たててしまっている
だから きみが ぶくぶくと
裸のままニーチェ
暗誦しながら
沈んでいくところを 
からだを リズムにして 見るしか
できない いくじなしで
いつも 間に合わない
きみは おひさまみたいな 笑顔で
海から あがってくる 
それはそれは 王子様然として
今日は 肺
今日は 仙骨
今日は 喉
宇宙の 器官を くれる
海水に ただれた 口から
お風呂に お湯を ためる
わたしは 
ぐずぐずと 体液を
沈めながら きみの
へこんだ 胸に 顔を うずめて
乳首の横に 無数にできた
ニキビを 噛みちぎる
間に合わなくて
こんなに ぐずぐずと
底に 宇宙の 臓器を  
わたしの 内臓と 混ぜて
底に 隠しているの
けれど きみは
糸を なぞるように
痛く わらう  
いたく わらうの
で ごめんね 
ずっと きみのこと
海に 置きっぱなしにしている
本当は ずっと
きみは 沈没してる
わたしの胸に 一本
腕だけ 突き刺して 残して
ごめんね 
わたしの胸に 一本
残る 腕を 自分で
かき回して リズムになって
感じてしまって
ごめんね