陽/円環


本能が
理性によって
ひきつれて
いるから
とても
ひとりで
いられない

ひきつれて
いるのだけれど
いつでも
わたしが
わたしに
冷や水
ぶっかける
着替え や
子ども 
バスタブ や 靴
がちがちと
歯が 鳴る


きみが どうやったら わらうのか
きみが どうやったら おこるのか
きみが どうやったら あふれるの
わからないまま わたしは おどる
わからないまま わたしは うたう
わからないまま わたしは たかぶって しまうの
しまうの だけれど きみが だれなのかも
きみが どこにいるのかも わからないまま
わたしは てを のばしては 砂を かきまわし
脈を さがして すこしだけ 目を 焼いてしまう
とても 完璧に 見失い 目が また もどる
までに わすれて しまった 
下まぶたに 溜まった 本能の ひきつり 
わすれて しまった そこを なでた 指の 持ち主
きみ を わすれた


とうっても さむうい
と 手を すりあわせる だけ
のことが 足元を 奈落に してしまう
ことを よく 知っている 
とうっても さむうい
と けれど とうっても さむうい が
臓腑から わきあがって きて しまって
きみに どうやったら 触れられる
きみに どうやったら 見てもらえるのか
歯が すりへって しまう
だれの目にも わからないくらいの すりへり
砂漠の 砂が 風に 吹き飛ばされても
だれも しらない だれも
しくしくと 下まぶたが
今日も 泣く
なにも こぼさずに
ひきつりを 
だれも
見ず


痙攣している
わたしの
外の
世界
すべて
痙攣して
わたしは
ぎこちなく
同期

きみの 
冷たさに
触れた
背で
伝える
砂の
ありか