ラバー

めをとじて
とがらした爪で
まぶたに
おもいきり線を
ひく
血がにじんだあと
血がたれるまで
ずっと
めをとじたままで


いたいいたい
といっておどる
いたいいたい
といってわらう
いたいいたい
なんてたのしい


雨が
内臓の臭いを
させて
ぬるぬる降る
あたしの
まぶたから
降る
刺繍糸をとかす
いたーい
いたーいよーう
しんじゃうようー
あはははー
枝の
ような
腕が
跳ねるたびに
枝の
ように
揺れ
雨が
あたる
皮膚が
腫れ
みず
たまの
模様


ここは
なんてすてきな口
すてきな口の中
輪郭をもたない風景が
じゅんに
点滅し
熱があがり
ねえ
いたーい
いたーーい
さかさまになってる
いびつな
炎症が
アトランダムに
明滅!
するの!
しみるって、言って!
みず たま を
とんがらした つめ で
おもいきり ひねりあげる
鉄の 味 あまい 唾
いはい いひい いい い、 って 言って!


爆弾がしずかにつみあがっている
言葉が どうやって 書かれるか なんて
そんなこと もう かまっている 暇 ないよ
さつじん さつじん さつじん さつじん
さつじん さつじん さつじん さつじん
もう 声は まぶたなんだ
もう 声は この まぶたなんだ
みにくくって はれあがる 
きれいに 血を ながした 瞬間も ある
この まぶたなんだ 声は
いたい いたい と いって おどる
爆弾はずっとしずかなまま
さつじん してきたの 
さつじん してきたの ?
さつじん してきたの
あんたを あしげに して はねる
あんたに おりたって すべる
あんたに すべって ころぶ
あんたに てを かけて たって
あんたを あしげに して まわる
いたい いたい と いって おどる
いたい いたい と いって おどる
この まぶた を もちあげて
しんじゃうーようー
たりないのようー
ぐいぐいと 線を ひく ひく
なんて たのしい なんて
たのしい 胸が はちきれそうで
ばくだん こんなとこに いたの
ずっと そうして いて
ずっと たりない まんま いて