ラストコーション http://www.wisepolicy.com/lust_caution/

長い映画なので、身構えていたのだけれど、長さというのはあまり感じなかった。そういう意味ではおもしろかったし、いい映画だとは思う。特に、タン・ウェイがすごく魅力的。彼女自身の不安定さが映画そのものの不安定さになっていると思うし、だからこそ、見られると思う。映画を見ている間、あ、あの人にも似ているな、あの人にも、と思えてきて、後から考えると、そういう存在のあり方なんだろうなと。モザイクが増えてる、増えてると聞くと、増える前のものも見てみたいなあと思うのが人情ですよね。。
少し離れてみるだけで、ものすごく小さいことに必死になっている人たちに見えるという感じ。セックスってそういう感覚を強く打ち出すよなあーと思いました。実際はものすごく小さいことじゃないんだけど、多分。


ミスター・ロンリー http://misterlonely.gyao.jp/

ひとことでいうと、遠い目になっちゃう映画。サマンサ・モートン目当てで見に行ったので、そういう面では満足で、ぐっとくるシーンもあったのだけれど。。映像はきれいだし、音楽も素敵なところで流れるし。けど。。目の前に机があったら、「そんなんでいいんですか!?」って机をたたきたくなる瞬間が何度か。。尼僧がパラシュートなしでスカイダイビングをするという本編とはまったく絡まないサイドストーリーがところどころ入ってくるんですが、そっちがまさか、そっちに行かないよね?それで終わらないよね?まさかね?と思っていたらそこに着地しやがったので、一気に脱力してしまいました。なんか、やりきる気概が感じられない気がして、映像とか台詞とか、人の温度とか景色とか、そういうものはちゃんと明かりとか熱とかを持っていて、滲むのに、それをうつしとっていくもっと大きい視野だったり視点だったりが、冷えて固まった感じがする。その冷えた感じを楽しめたらいいのかもしれないけど、わたしは納得いかない感じがした。すべてがポーズな感じがして、それをわかる、わからない、ということで揺れるし、抜け出したい、抜け出すように振舞いたいと思って、けど、それもポーズで、頭でっかちで、観念的で、AとBが合わさって昇華かな、とかいう感じ、だからこそ、着地点がものすごく甘やかな感じのところにある、悲劇的にみえる出来事とは裏腹にものすごくあまーいところに手を伸ばす感覚で、けどやっきになってるわけでもなく、手とか口をべたつかせる感じで、それがあんまり好きじゃないなあと思った。途中でなんだかわからなくなってきた。。いや、そういうことじゃないかなあ?うーん、なんか、感覚はわかるし、こういう感覚でしかいられないというのもわかる気がするんだけど、でも、わたしは、こういう感覚に沿っていきたくない、いまほしいのはそれじゃない、という思いがあるから、もやもやするんだろうと思う。