ヤング


この世のぜんぶのことばは喧嘩
更新されつづける中間地点を示す音を
心の中で鳴らす
くちびるをとんがらかして
こんな音だろ
ブー
抗う
地にへばりつく
ようにして
こんな感じ
ブー
はじまれ
はじまれ
汚い顔を汚い手の甲で
ぬぐって
はじまる
つづきが


ソファの隅に頬をくっつけて眠る
パーティーとは名ばかりの
まるまって朝を待つ会の
朝が来た
順番に眠った
順番に起きた
ソファについたよだれをぬぐって
このよのぜんぶのことばはけんか!
そうだ、途切れた音楽の合間に
石が降ってきた
それはそれはやわらかい
石だ黙っている
あかるくなった空に
首をかしげて
またね
うん
また


生まれてこなきゃ良かった、ってことと、
いま、くるしい、ってこととは、全然違う、
嫌われたくない、ってことと、
彼女の視線に震える、ってこととは、全然違う、
全然違うことを、いっしょくたにして、
走り抜けていく、赤い車、雨をはじいて、
そんな、あいまいな恐怖や、
ワイパーみたいな、動悸は、いらない、
どき、どき、もっと、硬い、もっと、硬質な、やつ、
が、ほしいんだ、ぼくら、とか、言わなくっていい、
コイとか、ねえ、あの朝に、女の子たちは、みんな、
あんたたちの、朝勃ちをみたし、それで、いいじゃん、
人数分の、毛布は、ない、そんな、パーティーとは、
名ばかりの、朝を待つ会が、あった、
もっと、もっと、もっと、硬い、もっと、硬質な、
朝、起きたら、まず、水、まず、みずを、飲んで、
目をつむりながら、そして、次は、次は、
車が爆発する音が、心の中で、聞こえる、これは、
まだ、甘すぎるけど、指をつきたてたり、しない、
から、求める、って、
こと、つづき、はじまる、もっと、
硬質な、
ぐるり、を、


またー
またねー
あー
ちくしょうの
階段だ