図形


あたしたちが立つのは
いつまでも未成熟な土壌で
陽を照り返す声だ
つめこまれていくブロック
それは情報あるいは肉、野菜
ブロックにまみれながらも
差し出す手の先に、想像する
ずぶずぶと沈む身体を引き抜く
そして、また、
その照る土に足をつけることを


あたしたちの名前を呼ぶとき
声帯を震わせないという
約束をした
あの照りかえるがらんどうで
あたしたちが
あたしたちの
名前を呼ぶ
呼ぶときに
からだの中を
渦巻く
湿った息が
押し流せない
ものをこそ
信じると
決めた


そこで
ずっと
続いている
祭り
鉄塔の
上を
目指し
音楽は
大きくなり
踊りは
激しくなる
そこで
ずっと
続いている
あたしたちの
けれど
決して
忘れるな
塔は
いくつも
作られ続け
穴は
深く
掘りつづけ
られている

いうことを
あたしたちは
足を滑らせ
落ちた
あたしたちは
あたしたちに
叩きつけられ
熱くなったあとに
とても
冷たくなった

いうことを
決して
忘れるな

あたしたちは
言う


何百回と聞いた歌が
突然に色褪せて響き
頭の中で割れる
口が開けっ放しになるくらい
あたしたちのうちの誰かが
死んだことに揺すぶられる
これでもかと揺すぶられる
くちびるがぶるぶると空気を噛み
誰かとは誰かで
誰かはわからず
何かを残す間も
なかったことを知る
そうか、
そうだ、
そうか、
そうだな、
そして、
そこから
はじまる、あたしたちの、
足、
ずっと未成熟な
やわらかい土壌