心臓を口から取り出して
やさしい色に染めたい
泣きじゃくりながら
花が
花が
花が
ある
目をつむると

花が


ブルーズがなんであるかしらないように
わたしは男の子のことをしらない
じっとしているのは花じゃない
茎だ
きみのことを愛したいよ
そうして
きみの輪郭をけしたい
なぞるべき
ものは
いらない
卵からなにかが孵るところを
花がひらいて水をはじくところを
きみが息をつめるところを
ただたちつくして
見るから


踊らなくてもいいよ
地下鉄をすりぬける
学校の机の下にもぐりこむ
カーテンを胸にまきつける
そんなふうにして
踊らないで
花が
花が
花が
花が
地が沈む