傷城

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初日なのに、空いてたなー。なんか、でも、香港映画だった。香港映画が好きなんだよね、やっぱり、わたし。 それは、個々の映画の評価をこえて、香港映画が好きなのです。金城武ってでも、香港映画的じゃないんだよなあ、常に「素直な子」オーラをいくつになっても、そしてどんな局面においても発しているので、なんだか、でも、それが悪いことだとは思わない、けど、それが映画にいい効果をもたらしているかはわかんないなあ。なんつうか、映画的には小品て感じ。ダイナミックな映画じゃない。小ぶりな、そして単純な、恩讐を、そこまでつきつめないで、けど、執拗に描くといった感じ。つきつめないけど、執拗というのが、日本的な感覚じゃないと思っていて、それが好き。だから、そこに付随する暴力だったり血だったりというものも、どんどんと晒していくかたちになる。ただ、ここには単に恩讐しかなくて、警察だから云々、犯罪者だから云々という立場としての何かしらというのはないので、あんまり残っていかないというのはある。で、金城武の存在というのがそういう立場としての何かしら、思想とか矜持とかとあまりそぐわない感じなので、そういう問題じゃねえじゃんという力が働いて、なんとなく、ちょっと変わった映画という感覚も受ける。でも、金城武じゃなかったら、思想とか矜持とかが少しでも漂ってくるのかもしれないとも思う。いや、でも、ここらへんは脚本とか演出の問題だよね、やっぱ。トニー・レオンは、ただ単に、恩讐による、というだけでなく、長年それによって歪められて、すっかり、のっぺりとした、というところをさらっとやっていて、よかったと思われ。
やっぱり、傷だらけの男たち、っていう邦題はヒドイよなあ。。傷で、香港映画だから、男たちつけとけばいい、みたいな、安易な。。つか、男たちって、二人しかいねえじゃん!