NUMB

 

思いつく限りの
武器の出す音
思いつく限りの
皮膚が破れるときの音
思いつく限りの
傷を言う音
思いつく限りの


内壁をカタカナの焼きごてで
さんざんに荒らす
夕日みたいだなんて
言ってないで
眉毛を剃り落とす
その瞬間の
手を振り上げる


雪が降ってきた
それは生まれてきてから
切りつづけてきた

ささるささる
嘘にささる

目で追いかけて
葉のない植物が揺れる


思いつく限りには
浅い限界があり
穴の入り口を舐める
怪物が
ランドスケープのように
きれいだ
飛べないことが
泣けるほど
うれしい
思いつく限りの
爆音の中
眠る


夢は
生まれてから
切りつづけてきた
髪につつまれ
ピザソース

口の中で
転がす
大丈夫
スラッシュで
区切られていく
思いつく限りの




スラッシュで
雪で
ただれる
内壁
ずれて縫い合わされた
皮膚に
沁みる