なんだか
からっぽだなあ
ラキ

ことばを糸のようにはきだすひとというのがいて
ことばが糸のようなひとと
ことばがぼてぼてと石油みたいに分割して
しみつくひとと
どのような違いがあるのだろうと考えている

叫びたいときに
叫ぶことがなかったので
さっきから部屋にいる
アブのことについて

アブ、の、こと、に、ついて、

からだに線や水玉があるのはよいことだ
足がたくさんあるのはよいことだ
とわたしの背中が言っている

ラキ、
わたしが叫ぶことといったら
勝手に呼ぶ名前と
数字くらいのものだ
からからとスプレーをふって
吹きつけた
ラキ、
あんたのことはしらないけど
わたしはいま
あんたのことがすきだと
叫びたい気分
数字くらいのものだ
続けて呼べるものは