LUST

夜の街灯を
叩き割りながら
踊り方を
見つけよう
裸に
レインコート着て
透明を濁そう
嫉妬が
ソウルを
ラバーにする
ゴムで
口をいっぱいにして
もぐもぐやるんだ
よだれが
アスファルト
信号を描く
電信柱は
みんなむかし
兵隊だった
まっくら闇に
うごきだして
女の子たちの靴を
脱がして
袋につめこむ
ずりずりと
ひきずって
朝がくるまえに
海に捨てる


朝日が
ぬらぬらとした
ステップを
照らしたら
恥ずかしくなって
しゃがみこもうね
恥ずかしいってだけで
抱き合おうね
殺しあっても
なんの後悔もないくらい
この道は濡れてる
たべて
たべて 
歯をたてて
なめて
なめて
とてもつめたい


かたい とても


おまえのことなにもしらない
あたしが言うのは
たとえば
さびしそうな目をしているね
星が胸につきささる
きもちわるいダンスみたいに
ロマンチックな科白
なにもしらない
おまえがここにいる
ってこと以外は
なにも
しらない
よだれでできあがった
小さすぎる
地上絵が
かき鳴らす
リアルは
名前も知らない
あの娘の歌
この世にはいない
あの娘の歌


きもちわるいダンス
ロマンチックな科白
ラバーソウルと嫉妬
すっかり
蒸れた
レインコートが
ピンク色に
染まる
すてて
すてて
ぐちゃぐちゃにして
ひろって
ひろって
しわをのばして
くりかえして
やめないで
次の夜がくれば
街灯は
なにもなかったように
光っている
から
胸かきむしる
この世にはいない
あの娘の歌が
とても必要