庭にある砂漠


ギャングの歌で髪をなでつける
地下へ向かう階段の手すりにもたれて
可笑しくってしかたない
人間であるってことが
可笑しくってさ
ボーダーの靴下を
ズボンの裾からすこし見せる
鉄板が入った
革靴の丸み
素敵だな
女の子たちが怖くて
下を向いていた
紙袋をかぶっているのが
ジョーイ
目が八つある
ロバは
ヨシミ
お尻に
ハートマークの
黒子がある
けど
そう思ってるのは
世界の中で
一人だけだ
素敵だ


スカートで
頬をなでられたときに
できた

いちにいさーん
よん
数え切れない
雪の
粒の
ような
ずっと
かわらない景色
安い
ホテルの改装とか
映画館や
遊園地が
閉まること
とか

なんとか
土地を
まわしていって
おーい
ジョーイのことも
ヨシミのことも
同じくらい
好きだった
おーい
そいで
同じくらい
怖かった
自分で
自分が
わからなくなって
かわらない
道の線

胸をつきさす
胸にあいた
穴から
なにか
ぬるぬるした
ものが
流れだしても
誰も
責めないで
ほしかった
けど
それも
今日で
終わり
もう
終わらない
って
ことが
わかったから


ノスタルジア
その名
呼んでもいいだろ