溺れていく夏に   


ほねになったトカゲたちの行列のうしろを
ついていく、ついていく、
キカイたちに水をながしこんで、
しずんで、ひからびた水かき、
まがったまま、かたまった、尻尾、
ほねになったトカゲたちの行列が
ゆらめいている、ゆらめいている、
ねえ、おどるの、
わたしの足首を、つかんで、
おもいきり、宙に、ひろげて、
おどるの、けむりに、
目をつむりながら、
いっとう、うしろの、トカゲのしっぽの、
いっとう、うしろの、トカゲのしっぽの、
いっとう、うしろの、トカゲのしっぽの、ほねを、
いっとう、うしろの、いっとう、ほそい、関節に、したがって、
いっとう、うしろのトカゲの、ほねを、はずして、
ななめに、おちていた、いっとう、うしろに、
キカイたちが、垂れ流した、あつい、水に、ななめに、ささって、
いる、いっとう、うしろの、
わたし、おなかをくねらせて、ねえ、
いっとう、あなたが、いっとう、すきな、
ほねに、すきまを合せて、噛んでいる、



おどるの、ねえ、
そうしたら、さきっぽしか、みえない、
しろい、しっぽが、いっとう、ひろい、場所に、でていって、
わたしの、眼球の、まわりのくうきが、ねえ、
なかも、そとも、ぜんぶ、しろく、ほねで、にごる、
皮膚を透けて、にごる、あつまって、ばらばらになる、
こなごなに、くちの中が、こわれて、
おどるの、ねえ、
わたしの足首を、にぎって、
宙に、ひきあげて、
みて、キカイたちが、ながす、唾に、斜めに、
つきささっている、うしろあしたち、
いっとう、きらいな、ふとももの、腫れみたいな、夏に、
からだを、べたべた、唾で、いっぱいにして、
うまれたのは、耳の中の、水位、


トカゲたちの、背中の瘤、きえて、そのままの姿勢で、
オバケたちが、混じりものの、ちを、にじませて、
キカイたちの、なかを、ぐるぐると、泡だらけにした、


わたしの、裂け目に、サカナたちが、群がって、
だれかの、あとを、ついていく、
     だれかの、あとを、ついていく、