だれかにたいしてもちうる感情はひとつだけ。
執着。
それを愛ってよぶことだって、
憎しみとか好意とか欲望とか、そういうものだって、
言うこともできるかもしれないけれど。
ぜんぶまとめて、
もちうる感情は執着だけだ。
ことばがかわるだけで。
しあわせになってほしい
とも
ずたずたになってほしい
とも
しんでほしい
とも
いきていてほしい
とも
いえて
それはぜんぶだ。
うねりみたいな、恐怖のかたち。
わたしは、ひとをもとめたくない。
ひとをもとめるわたしを、ぐるぐるまきにして、捨てたい。


パントリーって、
ぴったりなタイトルだとおもう。
そこにおいて、肉や内臓は全然なまなましくなんてない。
めにみえないこのわけのわからないものが、
遠くからやってくる血のにおいみたいに、
おそろしくなまなましくて、
吐き気がする。
そして、おそらく、その血は、
ぜったいに、ぜったいに赤くなんてない。