uki

すこし
道から
浮き上がって
歩いていると
何年も
会っていない
ともだちの
体に
つまづいて
転んだ
刷りガラスの
向こう側の
声だ
blackbird
blackbird
お洒落に
生きることばかり
考えていた
お洒落だなあと
つきはなして
話すのも
そのためだ
ともだちの
体は
ここにあるものが
唯一ではないので
ぶつけた
指が
ずきずきとする


靴を脱ぐわけには
いかなかったので
もう一度
友達のからだを
越えた
方向が
わからなくなった
友達のくちもとは
ろうそくが
とけたように
えぐれていた
腕が
胴に
くっついてた
会いにきたのではない
blackbird
blackbird
あすこは
東南アジアの
どこかの
地下
きらきらと
首を
あしもとに
おとして
いく
友達のからだの
いぼいぼに
目を描いて
あそんでいたら
日が暮れて
クライマーが
ゆっくり横ぎった
山を
なめると
ひどいめに
あう
指何本かじゃあ
すまない

小枝を
おとしていく


きみは
会いにきたんじゃあないね
きみは
会いにきたんじゃあないね
きみは
会いにきたんじゃあない
じっとして
だめになる
なにか
blackbird
blackbird